間柴の雑念

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突如目の前に現れたビジュアル大学ビジョン学部ビジュアリング学科卒業風な男性

ただいま中野駅内のBECK'S COFFEEにおります。

 

という一文を書き終わった瞬間に、これぞザ・ビジュアル系といった雰囲気を醸し出した40歳前半くらいの男性が私の対面に攻撃表示で召喚された。青いカラコン越しの彼と眼が合った。その眼は、トレーディングカードゲーム遊戯王」で絶大の人気を誇った8星の光属性モンスター「ブルーアイズホワイトドラゴン」より青い。

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必殺技である「滅びのバーストストリーム」をいつ受け付けるのかわからないので、念のため私は人喰い虫を裏守備表示で召喚しておいた。

私は彼の髪の毛に着眼した。ツートーンに仕上げられたヘアカラーは黒と、ハイブリーチを3回ほど施したような金。頭を真上から見下ろし12時の方向を0°として時計回りに0°から110°が金、残りが黒といったバランス。全体的には典型的なウルフカットなのだが、束感の作り方を非常に熟達されているようで、後頭部のセンターゾーンに位置するつむじを中心として髪の毛の一束一束が見事なまでに渦状にスタイリングされており分子レベルで鮮やかに配列されている。ポケットモンスターモンジャラもこの束感の演出にはさすがに脱帽といった感じ。この髪の毛の集合体を一口に”ヘアスタイル”としてカテゴライズするにはあまりにも惜しく、もはやこれは作品だ。アートなのだ。心を打たれた私は誠に勝手ながらこの作品を竜巻旋風脚と名付けヤフオクで出品することにした。わけがわからない。相場もわからない。

そして彼は先ほどからずっと、iPadをテーブルに置き何度もキャンディークラッシュをプレイしている。iPadの液晶は見るに堪えないほどバキバキに割れているのだが、そんな障害をものともせず彼の指先は華麗に画面上を舞い踊っている。そんなわけで彼はずっと画面を覗き込んで下を向いているので、自然と彼のつむじが私の顔面をロックオンする状態が続いており何度も竜巻旋風脚を喰らい続けている。

眉と目の距離はわずか2mm程度で、眉ラインは眉尻から眉頭までザッと斜め40°ほどで降下している。したがって、本人は普通の顔をしているつもりなのだろうが表情は怒りを露わにしている様子にしか見えない。目力が凄まじい。浅草寺の雷門両脇に存在する風神雷神像のようだ。風神雷神が青い眼をギラつかせながらキャンディークラッシュをプレイしている。

また彼が羽織っているワインレッドのロングコートのラペル部分には大量の赤い羽が飾られており、その数は、小学生の頃によく強要された赤い羽根募金換算をすると約4000円分くらいになりそうだ。優しい。

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懐かしいですね。中郷第二小学校の生徒はよく名札に装飾していたものです。今もやっているんでしょうか。

 

 

こういったビジュアル系ユーザーさえも獲得するキャンディークラッシュのマーケティングは素晴らしいなというお話でした。

 

 

ということを書きたかったのではなく、今月中旬からまた都内暮らしを再開するという旨を伝えたくパソコンを開きました。

 

一応、大江戸線沿いに住む予定です。