間柴の雑念

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ピアノは贅沢な楽器だ。一音一音に弦が張られている。

先日YAMAHA音楽教室の先生と居酒屋で同席した。彼女と私は同年代で、就職してもうすぐ4年目を迎えるそうだ。1年目で既に退職してしまった私からすれば素直に尊敬します。。

 

彼女とは高校で知り合った。当時から音楽に関心を寄せていたことは鮮明に覚えており、現在それが直結した職種に就けているということで、時には悩みや問題に衝突することは多々あるものの、「自分が好きであること」という軸・本質はブレずどんなことが起きても最終的にはやり甲斐を感じている・感じられる様子。素敵です。私もこうありたい。こうありたかった。。

 

 

ということでまだ社会人になる前のみなさん、やりたいことはちゃんと見つけましょう。

 

 

YAMAHAといえばピアノを連想します。私の父親の趣味はピアノです。私がまだ生まれたばかりの頃、基本的に私が横になっていた場所は電子ピアノの上でした。電子ピアノの上に置かれながら、父親がピアノを弾いていました。おかげでよく眠れました(いや全然覚えてない)。

 

しかし弾き続けているうちに電子ピアノに満足することができなくなったそうで、それを処分し、今度はアップライトピアノを購入。まぁ、一般的なやつですね。

 

しかしやはり弾き続けているうちにアップライトピアノに満足することができなくなったそうで、それを処分し、今度はグランドピアノを購入。なんか、めっちゃ口が開くやつですね。

 

父親がグランドピアノを購入した当時、私は小学生でした。昼過ぎに下校し玄関を開けリビングに入ると、いつもは何も写らなかったのに、その日はやけに黒い物体が私の視界の左半分のさらに左半分を刺激する。左に首を振る。しれっとピアノが置いてある。続いて右に首を振る。新聞を読んでいる父と目が合った。

「おかえり。買ったから。」

いや、買ったから、って。普通、こういうなんか、でっかいもの買うときくらい、事前に言うでしょ。買うからね、とか。明日届くからね、とか。ワクワクするね、とか。あるでしょ。

 

それから毎日のようにピアノを弾き続ける父親。

 

時は流れ2011年3月11日、大震災が起きた。当時、第一志望であった首都大学東京へ合格が決まっていた私はルンルン気分で春休みを満喫していた。その日も14時頃まで爆睡していた。何の制限にも追われることのない日常に幸せを感じながら快適な睡眠をとっていた。

起きてリビングへ降りて昼食をとっていた。既に父も母も出かけていて私一人。そのとき家は揺れ始めた。家具という家具が倒れ始め近所からは悲鳴が鳴り響きこれ以上揺れが大きくなったら恐らく死に直面するんだろうと絶望しかけた。しかし、元プロレスラー蝶野正洋に激似の近所のおじさんの

「ここに集まれえええええええええええええ!!」

という魂の叫びが聞こえ私は外の安全な場所へ避難することに成功。

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いかつい。

 

しばらくして電波が回復すると、父親から電話がきた。私は安心した。きっと家に一人でいる私を心配して何度も何度も電話をかけていたのだろう。私の安否が気になって仕方なかっただろう。私は生きている。大丈夫だ。それを精一杯伝えたかった。元気に電話を出た。

 

 

 

 

俺「もしもし、お父さん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

父「ああ、了!ピアノどうだ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2011年3月11日

 

その日私は

 

ピアノ>私

 

という衝撃的な事実を知った。