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間柴の雑念

あなたがこのブログを読んでいる間、他の人は前に進む

思い出は優しいから甘えちゃダメなの!

先日、父親・母親・祖母と私の4人で食事へ行った。場所は地元で有名な「久利山」という焼肉屋である。このど田舎に位置する飲食店なのに、食べログで15件ものレビューが寄せられている。ちなみに1件目のレビューのタイトルを見ると「北茨城 最強の焼肉店」。最強らしい。

時間帯も夕飯時で、店内は満席。しかし奇跡的に退店する客のグループとすれ違い、10分ほど経過するとすぐ席に案内され若い女性がオーダーを取る。「お飲み物頼まれますか?」

とりあえず生を注文しようと女性に視線を向ける。すると、その女性は何やら名札のようなものを付けていた。そこには、もちろんその従業員の名前が書かれているのだが、その名前の下に手書きで小さくこう書かれていた。

「私のおすすめは、特上カルビです♪」

いやまあ、確かに、特上カルビは美味しいだろう。いや食べたことはないが、普通のカルビが存在し、その上に上カルビがあり、更にそれを凌ぐ特上カルビがあり、それが最高ランクなわけで、したがって特上カルビは美味しいだろう。美味しくなければならない。

しかしそれをおすすめってどうなんだ。「おすすめする」というのは例えば、そこに来店する大部分の客が比較的リーズナブルであると評価してくれるであろう商品を紹介することが「おすすめする」のイメージ。特上カルビは1人前で1728円。一般的に見て恐らく誰もが気軽にバシバシ注文できる品物ではない。それを認識した上で「私のおすすめは、特上カルビです♪」と掲げているのか。

そんな捻くれたことを考えているうちにビールが届く。父親と乾杯すると「お酒、ほどほどにしないとなぁ。」と言って飲み始めた。何かあったのだろうかと思う間もなく母親が「こないだの結婚式でお父さん、大変な事態に直面しちゃってさぁ。。」と話し始める。以下、父親と母親から聞いた話を元に概要を説明。

  • 先日、いとこの結婚式があった
  • 父親と母親はそれに出席
  • 先に会場へ足を運び、席に座る
  • 開式まで時間が結構あることに気付く
  • 近くの広場へ移動し酒を飲み始める
  • 開式までスタッフが無料でお酒を提供してくれるらしく、父親は
  • ビールを飲む
  • ビールを飲む
  • ビールを飲む
  • ワインを飲む
  • ワインを飲む
  • シャンパンを飲む
  • シャンパンを飲む
  • 母親のシャンパンも奪う
  • 冷酒を飲む
  • 式が始まる
  • みんなメインの式場へと移動
  • 盛り上がる
  • 一人を除いて盛り上がる
  • 一人だけ式場にいないが盛り上がる
  • 一人だけ広場に座り込んでいる
  • 母親が広場にいる一人の異変に気付く
  • 近づく
  • 父親だ
  • 見ると全身から大量の汗が流れている
  • 声をかけても反応しない
  • 体を叩くとその反動で倒れこむ
  • ここで相当重症であることに気付く
  • すると、昔ある大学生がサークルで一気飲みをさせられ気を失いそのまま放置されて死に至ったというニュースが母親の脳裏をよぎった
  • 「救急車!!」と叫ぶ
  • 近くのスタッフが救急車を呼ぶ
  • 救急車が到着
  • 事情を説明しようと母親が救急車の元へ走り出す
  • ここで父親が目を覚ます
  • いきなり正常になる
  • そして遠くの方で救急車が止まっている光景を目撃し、「誰かの身に何かあったのかなあ。」とつぶやく始末
  • 救急隊員が父親の方へ走る
  • 向かって来る救急隊員に対して父親「何かあったんですか!?」
  • 救急隊員「いや、おたくです」(ここで私は食していたカクテキを吹き出す)
  • 父親「え?わ、わたし!?」
  • 救急隊員「そうですよ!早く乗ってください!」
  • 後ろから追加で2人ほど救急隊員が担架を持って駆けつける
  • 同時に母親も駆けつける
  • 「あれ!?あなた目覚ましたの!?」
  • 父親「どういうことだこれは!」
  • 母親「気を失って倒れてたのよ!」
  • 父親「もう大丈夫。ピンピンしてる。」
  • 救急隊員「ダメです!見るからに危険です、乗ってください!」
  • 父親「いや本当に大丈夫ですから!」
  • 救急隊員「では血圧を計りましょう!」
  • 血圧を計る
  • 下が40、上が70
  • 救急隊員「いや普通にやばい。普通に異常。正常に異常。何の疑いもなく異常。紛れもない異常。」
  • 父親「大丈夫ですから!」
  • 救急隊員「普通死にます!この血圧は!死に至る可能性があると言っているんです!それでもいいんですか!?」
  • 父親「本当に元気になったんです!」
  • 救急隊員「ではここにサインをお願いします。はい、これで死なれても私たちは一切責任を負えません。」
  • 帰っていく救急隊員。
  • 帰っていく救急車。
  • 何事もなかったかのように式場へ戻る父親
  • 普通に参加し、普通にその場に溶け込む

なるほど壮絶だ。幸いしたことは、この事件によって結婚式の雰囲気をぶち壊すといったようなことはなかったこと。私は父親の容態についてはあまり気にならず、むしろそればかり懸念しながら話を聞いていた。

そんな話で盛り上がりながら食事は進み、満腹。父親にごちそうさまと言って、全員で車に乗る。私は助手席へ、父親は後部座席へ。すると父親は何か食べ始める様子。上カルビ4人前を平らげ、祖母が食べきれなかったエビフライとライスを消化し、最後に追加でクッパを注文し完食したにも関わらず、だ。まあ確かに、甘いものは別腹だけれども、、と思いながら後ろを振り向くとそこには、煮干しをポリポリ食べている父親が。デザートでもなく、主食でもなく、煮干し。「え?なんで?どうして?どうしてなの?」っていう表情をしながら父親を見ていると「いやぁ足りなくてさ」に相当するようなレスポンスを想定していたのだが、実際は

 

「食べたい?栄養あるよ」

 

...いや栄養あるのはわかるけど..てかなんで車に煮干しのストックあるの..

 

どこから尋ねようか考えたがあまりにも突っ込みどころが多すぎて諦めた。

 

ちなみに焼肉屋で偶然にも3人の友人に会った。するとなぜか小さいマドレーヌを頂いたのだが、知らぬ間に父親の胃の中だった。ごめん。

 

ということで23歳になりました。お祝い頂いた方々ありがとうございました。今年の抱負は就職です。